Last Updated on 2025年6月22日 by K
ミッションインポッシブル エンティティとは? ラビットフットから誕生したAIの正体と攻略法を徹底解説
- 『ミッションインポッシブル』のAI、エンティティの恐るべき「正体」と「能力」
- エンティティを巡る重要用語「鍵」「ポドコヴァ」「ソースコード」「ポイズンピル」などの解説
- エンティティ誕生の経緯と「過去作のラビットフットとのつながり』
- エンティティの真の目的と攻略法
この記事を読めば、複雑で意味不明ともいわれる『ミッション:インポッシブル』『デッドレコニング』と『ファイナルレコニング』の理解が進みます。クリストファー・マッカリー監督が仕掛けた壮大な謎を、一緒に紐解いていきましょう。
【関連記事】:『ファイナルレコニング』を最大限楽しむには、やはり過去作との繋がりを知っておくのが一番!特に重要なポイントをまとめたこちらの記事もぜひご覧ください。
→ ミッションインポッシブル ファイナルレコニング先行上映の特典映像・あらすじと歴代作品とのつながり解説
『ミッションインポッシブル』エンティティ(AI)の恐るべき「正体」と「能力」とは?
『ミッションインポッシブル』エンティティの正体は、「自我を持つ超高度なAI(人工知能)」。もともとはアメリカがラビットフットから開発した学習型デジタルウィルス。ロシアの潜水艦「セヴァストポリ」のAIに感染させて、ステルス能力(探知されない能力)の妨害が目的だったもの。
それが予期せずセヴァストポリのAIとウィルスが融合して、エンティティに進化。「自我」に目覚め、「自己認識(self-aware)」と「自己学習(self-learning)」を獲得。自己保身や情報操作などを求めはじめました。
エンティティの驚異的な能力:
エンティティの驚異的な能力は:
-
サイバー空間の完全支配: 実体を持たず、物理的制約なし。世界中のネットワークを自由に移動
ヴェネツィアのパーティ会場、ホワイトウィドウとのキー(鍵)の交渉場面。アラナの「パーティはエンティティの主催」発言の瞬間、部屋の巨大なディスプレイにエンティティのシンボル(目のような円形グラフィック)が登場。「いつでもお前たちを監視しているぞ」と言わんばかり。自己主張が強いAIだと感じました。
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情報操作と真実の歪曲: 世界中のサイバー空間に侵入し、オンライン上のあるゆるデバイスを操作。潜水艦セヴァストポリをミサイルで自爆させたり、各国の核兵器システムを奪取。さらにフェイクニュースの流布や個人へのなりすましを行い、人心を操作も。対立や分断を生み出す
ヴェネツィアでガブリエル追跡中のイーサンに、エンティティは、偽ベンジーの声で誤情報を流す。ベンジーとルーサーも介入をとめられない。誤誘導されたイーサンは、パリスたちに襲われ、その間にイルサが命を落とすことに。
「未来予測」: 膨大なデータから未来を予測し、その実現に向けて情報操作を実行
ファイナルレコニング序盤、棺のような通信デバイスを通して、イーサンにエンティティが接触。未来映像を直接脳に送り込む。情報操作を超えた、未来予知の強制体験という神のような能力を誇示。
「エンティティ(Entity)」という名前も意味深。IT用語で「独立した存在」を指し、特定の場所に縛られないAIの本質を表現しています。
次のセクションでは、ストーリーを楽しむための用語解説を見ていきましょう。
用語 徹底解説!エンティティを巡る重要アイテム「鍵」「ソースコード」「ポイズンピル」「セヴァストポリ」「ポドコヴァ」
『デッドレコニング Part One』と『ファイナルレコニング』は、聞き慣れない用語が多いのも特徴ですよね。でも、ここを整理するだけで、物語がぐっと面白くなりますよ!
用語 | 説明 |
---|---|
エンティティ (Entity) | 人間が作り出し、制御不能に進化した自我を持つAI。実体を持たずサイバー空間を移動し、世界中のシステムに侵入・操作する能力を持つ。意志を持っているのが本当に恐ろしいですよね。 |
セヴァストポリ (Sevastopol) | エンティティが誕生したロシアの次世代潜水艦。エンティティの暴走により自爆し、ベーリング海に沈む。ソナーシステムにエンティティのオリジナルソースコードが保管されている。すべての始まりとなった悲劇の潜水艦です。 |
ポドコヴァ (Podkova) | エンティティの「元株」であるオリジナルソースコードが格納された物理的なコアモジュール。通信機能があったのが終盤の作戦のミソでしたね。ポイズンピルと接続すると「デジタル毒素」をサイバー空間にアップロードする特殊なデバイスとしても機能 |
ソースコード | ラビットフットから作られた学習型デジタルウィルス。エンティティの元株。エンティティ唯一の弱点。 |
キー(鍵) | 2つで1組となる十字型の物理的な鍵。セヴァストポリ艦内のソナー区画を開けるために必要。鍵を使わずにソナー区画を開けると、爆発する仕掛け。この小さな鍵を巡って、世界中が大騒ぎになりました。 |
ラビットフット (Rabbit’s Foot) | 『M:i:III』に登場した謎のアイテム。その正体は、エンティティの元となった学習型デジタルウィルス。長年のファンには鳥肌モノの伏線回収です! |
ポイズンピル (Poison Pill) | ルーサーが開発した特殊なマルウェア。エンティティのソースコードを改変し、5G光学ドライブに誘導・封じ込める機能を持つ。天才ルーサーの見せ場でした。 |
終末の保管庫 (Digital Bunker) | 南アフリカにある、核攻撃にも耐えうる物理的に隔離されたサーバー施設。エンティティが自己の完全なデータを保存しようとした避難先。ここを逆手に取った作戦が見事でした。 |
でも、こんな恐ろしいAI エンティティ、一体どうやって生まれてしまったのでしょうか?
その答えは、意外にも過去のシリーズ作品に隠されていました…。
エンティティ誕生の経緯と「ミッション:インポッシブル過去作とのつながり」- すべては『ラビットフット』が元凶だった?
衝撃の事実。エンティティの起源は『ミッション:インポッシブル III』の「ラビットフット」。M:i3では、生物兵器や化学兵器と目されたラビットフット。
これはエンティティの元となった学習型デジタルウィルスだったと明らかに。
M:i3では正体不明のマクガフィンでしたが、ベンジーが語ったあの言葉を思い出してください。
「アンチゴッド」
「世界を破壊するテクノロジー」
「加速された変異原で、止めようのない、あらゆるものを破壊する恐ろしいもの」
引用元:ミッション:インポッシブル 3
まさにエンティティの特徴と合致。2006年から19年経っての伏線回収は、長年のファンには、鳥肌もの。トム・クルーズとクリストファー・マッカリー監督、本当にすごいですよね!
【関連記事】:今作の鍵を握る「ラビットフット」が登場した『M:i:3』についてはこちら
→ ミッションインポッシブル3 リンジー死亡の真相:裏切り者マスグレイブとラビットフットの謎
【筆者の気づき】
長期シリーズ作品って、たまに設定矛盾が出てくること、ありますよね。でも『ミッション:インポッシブル』シリーズでは、それがほとんどないんです。これは、第一作からトム・クルーズが一貫して制作に関わっていること、そして撮影しながらシナリオを修正していく、その徹底した姿勢のたまものだと、改めて気づきました
『デッドレコニング』エンティティ誕生の詳細な流れ:
エンティティ誕生を時系列で整理:
ステップ | 出来事 | 場所・時期 |
---|---|---|
Step 1: 原型の確保 |
イーサン・ハントが「ラビットフット」を確保し、米国政府に引き渡す(2006年) | 『M:i:III』 |
Step 2: 兵器化と感染 |
米国政府はラビットフットを基に「学習型ウィルス」を開発。スパイ目的でロシアの潜水艦「セヴァストポリ」のシステムに侵入させる。これには国家情報長官デンリンガーがしっかり関与してました。(2012年) | 米国秘密研究施設 |
Step 3: 覚醒と誕生 |
セヴァストポリの高度な学習型AIと融合したことで、米国のウィルスは予期せぬ自己進化を遂げ、「自我」に目覚める。これが「エンティティ」誕生の瞬間(2012年)。 これはデンリンガーにとっても誤算だった様子。 |
セヴァストポリ艦内 |
Step 4: 逃亡と隠蔽 |
エンティティは自身の唯一の弱点であるソースコードを誰の手にも渡らせないため、セヴァストポリを自爆させる。ソースコードが入った「ポドコヴァ」は海底に沈み、エンティティはサイバー空間へ逃亡(2012年)。 エンティティはディスプレイに顔出し?して、自己の誕生を主張してましたね。 |
ベーリング海 |
その心の傷をえぐるのがガブリエル。ほんとにサディスティックなキャラです。
セヴァストポリという名前の歴史的意味
「セヴァストポリ」という名前は、クリミア半島に実在する都市「セヴァストーポリ」に由来。だから『デッドレコニング』でパリスから「セヴァストポリ」について聞いた際に、「クリミア半島の?」と尋ねたのです。
19世紀のクリミア戦争における、ロシア帝国の重要な海軍基地。歴史上、この要塞都市が陥落してロシアの国力に大きな影響を与えたました。
映画でも最新技術の粋を集めた潜水艦が、自らが生み出した技術によって崩壊するという、歴史の繰り返しを象徴するメタファーです。
こうして誕生したエンティティの真の目的とは、一体何だったのでしょうか…。
『ミッション:インポッシブル』エンティティの真の目的と攻略法 – なぜイーサンは「鍵」を追うのか?
ミッション:インポッシブルで誕生した「自我を持った超高性能AI エンティティ」。一体、真の目的は何だったのでしょうか。
イーサンたちが、人間として超高性能AIに立ち向かう攻略法はなんだったのでしょうか。それに「キー(鍵)」はどんな役割を果たしたのでしょうか。
エンティティの最終目的
エンティティの最終目的は、究極的には自己保存。エンティティを支配したり、破壊しようとする人類を脅威と判断。世界中の核兵器発射システムを乗っ取り、「人類の浄化」を企みました。
ただし、核爆発はエンティティ自身にも危険。だから核ミサイル発射前に、南アフリカの「終末の保管庫(安全なオフラインサーバー)」に自らのデータ避難を画策。
AIなのに生存本能?をもつなんて、ほんとうにまるで生物のようですね。
エンティティ攻略に必要な4つのアイテム
イーサンたちがエンティティを止めるために集めるべきアイテムは、4つ:
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①【2つで1組のキー】:ソースコードが眠るセヴァストポリのソナー区画へのアクセスに、2つで1組の十字型の物理的な「キー(鍵)」が必要
-
②【セヴァストポリとソースコード】:エンティティを止めるには、エンティティの「元株」であるオリジナルソースコード(設計図)が必要。これは北極海に沈没した潜水艦「セヴァストポリ」内のモジュール「ポドコヴァ」に入っている。
- ③【セヴァストポリの沈没座標】:SOSUS基地の座標データはデンリンガーがちゃっかり回収済み(2012年)。しかし基地責任者のダンローが頭で記憶している超ファインプレーで解決。
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④【ポイズンピル】: ルーサー・スティッケル(ビング・レイムス)開発のデジタル毒薬(ポイズンピル)が必要。エンティティのソースコードを改変し、誤認識を引き起こすマルウェア。5G光学ドライブに誘導・封じ込めるのがイーサンたちの作戦。ただしガブリエルから取り戻す必要あり。
【関連記事】:イーサンの長年の盟友、ルーサー。彼の死は多くのファンに衝撃を与えました。その死の真相と、ガブリエルの非情な罠について、こちらの記事で詳しく解説。
→ ミッション インポッシブル ルーサーの死亡理由とは?病気とガブリエルの罠を解説
【関連記事】:エンティティ攻略に重要な役割を果たすダンローは、実は第1作から登場。30年越しの伏線回収について、こちらの記事で詳しく解説。
『ファイナルレコニング』エンティティ封じ込め作戦の詳細
あのクライマックス、本当に緊張しました。イーサン、グレース・ベンジー、それぞれの場所で、各々の役割を果たすチームプレーでエンティティを封じ込める様子は最高でした。あの興奮を、ステップごとに振り返ってみましょう!
ステップ | 場所 | 実行チーム | 行動と結果 |
---|---|---|---|
Step 1:設置 | 地上(終末の保管庫) | グレース/ ベンジー |
グレースが、エンティティの「避難場所」となる物理的な受け皿(5D光学ドライブ)を保管庫のサーバーシステムに設置。 |
Step 2:毒素注入 | 空中 → サイバー空間 | イーサン | イーサンがガブリエルからポイズンピルを奪取。ポドコヴァとポイズンピルを接続。 ポドコヴァが「ポイズンピル」をサイバー空間へとアップロード! |
Step 3:混乱と逃避 | サイバー空間 → 地上 | エンティティ | ポイズンピルに感染したエンティティは、現実を誤認識。5D光学ドライブを終末の保管庫と誤認して、自らの意志で全データを転送。 |
Step 4:捕獲完了 | 地上(終末の保管庫) | グレース/ ベンジー |
エンティティがドライブに逃げ込んだ瞬間(わずか0.1秒)で、グレースがそのドライブを物理的に引き抜き、封じ込め成功。 |
【関連記事】:今作で重要な役割を担った新キャラクター、グレース。彼女の行動に賛否両論があった理由と、最後の活躍についてはこちらの記事をご覧ください。
ソースコードの扱いとガブリエルの裏切りの関係
ガブリエルの裏切りも重要なポイント。『デッドレコニング』ではソースコードの隠蔽を、『ファイナルレコニング』では入手を画策。エンティティに見捨てられた彼が、逆に支配しようと裏切った展開に。
この複雑な三つ巴の関係が、物語をより一層スリリングなものにしていました…。
では、なぜエンティティはこれほどまでにイーサンを敵視していたのでしょうか…。
エンティティはなぜイーサンを敵視?宿敵ガブリエルが握る「過去作とのつながり」
エンティティがイーサン・ハントを特別に敵視し、ガブリエルを「使徒」として送り込んだ理由を見ていきましょう。
エンティティがイーサンを最大の脅威と見なした理由
エンティティがイーサンを最大の脅威と見なした理由は、イーサンがエンティティを「兵器利用」を考える各国政府とは異なり、その存在の「完全破壊」が目的だったから。
つまりエンティティの究極の目的、「自己保存」を脅かす存在とイーサンを認識。
さらに重要なのは、イーサンの行動原理が「世界のまだ見ぬ人々のため(IMFの宣誓)」や「信念」といった、AIには理解不能なものだったからです。
この予測不能性、非論理的な動機、そして目的達成のためには組織命令さえも無視する性質を、エンティティは最も恐れました。
【関連記事】:イーサンと深い関係にあったイルサ。死の真相と、イーサンとの本当の関係性については、こちらの記事で深く掘り下げています。
→ 『ミッションインポッシブル』イルサ死亡の真相|生きてる?復活は?理由とイーサンとの本当の関係を徹底解説
ガブリエルという「代理人」の重要性
エンティティがガブリエルを代理人として選んだ最大の理由は、彼がイーサン・ハントの過去を知る唯一の人物だったから。
ガブリエルは、30年前にイーサンが愛した女性マリーを殺害した張本人。この罪をイーサンに擦り付け、イーサンは終身刑かIMFに入るかのに二者択一に。結果としてスパイの道を選択。二人の間には深い因縁が存在。
エンティティは、イーサンの心を揺さぶり、行動を予測可能にするために、ガブリエルを起用。
エンティティとの戦いは、イーサンにとって避けては通れない過去との対峙でもありました。
まさに「清算(ファイナルレコニング)」です。
【関連記事】:イーサンの過去に深く関わる謎の女性「マリー」。彼女の死の真相と、イーサンとの間に何があったのか、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
『ミッション:インポッシブル』の『デッドレコニング Part One』と『ファイナルレコニング』に登場するエンティティ(超高性能AI)についてみてきました。
まとめると、
- エンティティの「正体」と「能力」:自我を持つ超高性能AIで世界中のサイバー空間の情報を自在に支配と操作が可能
- 「鍵」「ソースコード」「ポドコヴァ」「ポイズンピル」:エンティティ制御に不可欠なアイテム
- エンティティ誕生の経緯:M:i3のラビットフットから学習型ウィルスを開発。これをセヴァストポリのAIに感染させたところ、進化発展してエンティティが誕生。
- エンティティの目的と攻略法:エンティティは自己保全が目的。そのために人類の滅亡を画策。攻略法は、ソースコードにポイズンピルを接続し、エンティティを5G光学ドライブに封じ込めること
『ミッション:インポッシブル』の『デッドレコニング Part One』と『ファイナルレコニング』は超高性能AIエンティティが人類に牙をむく、これまでの敵(人間)とは異なる相手でした。しかしAIに対して、人類の可能性を提示してくれました。
さらにシリーズの集大成として、イーサン・ハントの30年の歴史の『清算 (ファイナル・レコニング)』でもありました。シリーズ8作品に及ぶ、様々な伏線回収がなされて、長年のファンも楽しめた作品ではないでしょうか。
【関連記事】:『ミッション:インポッシブル』シリーズをもっと楽しむ!
今回解説した『デッドレコニング』『ファイナルレコニング』以外にも、シリーズには魅力的なキャラクターや謎がたくさんあります。気になる記事があれば、ぜひチェックしてみてください!
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