トップガン マーヴェリックのヒロイン「ペニー」とは誰？主人公との関係性と娘アメリアの父親の謎を徹底解説！

『トップガン マーヴェリック』を観て、
「マーヴェリックの新しい恋人、ペニーって一体誰？」「前作のヒロイン、チャーリーの印象が強すぎて、今回のヒロイン変更に少し戸惑ってしまった…」方も多いのではないでしょうか。

筆者も「ペニーとマーヴェリックって、昔からの知り合い？」「娘のアメリアの父親は、もしかして…？」そんな疑問が次々と湧いてきてしまいました。実は、ペニーは前作『トップガン』から巧妙に仕込まれた、知る人ぞ知る伏線だったのです。

この記事を読めば、あなたの全ての疑問は氷解します。今作のヒロイン、ペニー・ベンジャミンという女性が、マーヴェリックの36年間の物語にどれほど重要であったか、その全てを明らかにします。この記事では、以下の点を明確に解説していきます。

さあ、ただの伏線回収では終わらない、ペニーとアメリアという二人の女性がマーヴェリックの人生に与えた深い意味を探る旅に出かけましょう。セーリングシーンに隠された感動的なメッセージ、そしてマーヴェリックの人間的成長の証を、この記事で一つ一つ見つけていきます。

もしあなたが『トップガン マーヴェリック』をもう一度、あるいはこれから観る予定なら、この記事は必読です。ペニーというキャラクターの背景を知ることで、マーヴェリックの一つ一つの表情、そして二人の間に流れる空気の意味が全く違って見えてくるはずです。

今すぐこの記事を読み進めて、『トップガン マーヴェリック』の物語を、より深く、感動的に味わい尽くしてください。あなたの鑑賞体験は、間違いなく次のレベルへと引き上げられるでしょう。

ペニー・ベンジャミンは誰？前作『トップガン』との意外な繋がり

『トップガン マーヴェリック』で初めて姿をあらわしたペニー・ベンジャミンですが、実は前作「トップガン」で名前だけは登場していたのです。

前作の冒頭、上官スティンガーがマーヴェリックの素行不良を叱責するシーン。輝かしい経歴を読み上げた後、彼の問題行動リストにこう付け加えます。

「管制塔への低空飛行5回、そして司令官の娘との一件…」

その瞬間、相棒のグースが「Penny Benjamin?（ペニー・ベンジャミンか？）」と囁きます。

出典：「トップガン」1986年

このシーンで、トム・クルーズ演じるマーヴェリックがプレイボーイ、しかもよりによって提督の娘に手を出す無鉄砲なキャラクター像が描写されています。

さらに、バーのシーンでグースの妻キャロルも

「司令官の娘の件、あなたの武勇伝はみんな知ってるわ」

出典：「トップガン」1986年

とマーヴェリックをからかう場面があり、マーヴェリックのプレイボーイ振りが仲間に知れ渡っていることが印象付けられます。

このとき、名前だけ登場した「司令官の娘」ペニー・ベンジャミンが、続編「トップガン マーヴェリック」でヒロインとして登場。名前を忘れていたファンも多いと思いますが、36年の時を経て見事な伏線回収です。

マーヴェリックとペニーの関係性｜繰り返された恋の行方は？

マーヴェリックとペニーの関係は、長年の月日が生んだ成熟と信頼関係を感じさせます。二人が再会するバー「ハード・デッキ」のシーンは、その複雑な歴史を凝縮して見せてくれます。

ペニー: (ため息) ピート。
マーヴェリック: ペニー。
ペニー: 今度は誰を怒らせたの？
マーヴェリック: また別の提督さ。そういえば――お父さんは元気か？
ペニー: まだあなたに怒ってるわ。引退したの。…ここだけは絶対にあなたと会わない場所だと思ってた。

出典：「トップガン マーヴェリック」2022年

突然かつ久しぶりの再会にも関わらず、マーヴェリックの本名「ピート」と自然に呼ぶペニー。二人の関係性を感じさせるシーンです。

ペニーがマーヴェリックを本名の『ピート』と呼ぶのは、単に親しいからではないと思います。彼女は『マーヴェリック』を伝説（＝パイロットとしての危険な側面）ではなく、『ピート』という一人の人間を愛していることの表れのように思えます。

対するマーヴェリックは、彼女の父親（＝司令官）にまだ怒られているか気にするあたり、過去のやんちゃが原因で負い目を感じている様子がうかがえます。前作の無鉄砲な若いパイロットから、人間味を感じさせる描写だと筆者には見えました。

ペニー: 30年も同じこと言ってる。…あなたがトラブルに巻き込まれると、アイスマンが電話一本で、あなたはまた空に舞い上がる。
マーヴェリック: ペニー、今回は違うんだ。
ペニー: 信じて。今はどんなに不可能に思えても、どうにかしてまた戦闘機に乗り、尾翼に火をつけられるわ。

出典：「トップガン マーヴェリック」2022年

ペニーはマーヴェリックの無茶な生き様を呆れながらも、誰よりも彼の本質を理解し、励ましているように見えます。「どうせまた空に戻るんでしょ」という言葉は、突き放しているように見えて、深い信頼と愛情の裏返し。

マーヴェリックもまた、そんな彼女だからこそ「今回は違うんだ」と弱音を吐けるのです。前作で失意のどん底におちたときのマーヴェリックは、一人で悩んでいました。今作では人に弱音を吐けるようになったところに、36年分の人間的成長がにじんでいると筆者は感じました。

さらにペニーはアイスマンとマーヴェリックの関係も理解しており、前作「トップガン」からの36年間、マーヴェリックとつかず離れずを繰り返していたことを示唆するやり取りとなっています。

この会話で面白いのは、マーヴェリックがペニーの好意を確かめるように見つめるのに対し、ペニーが

「That look.（その目つきはやめて）」

出典：「トップガン マーヴェリック」2022年

と大人の女性として一線を引こうとする点です。明らかにペニーはマーヴェリックに惹かれているにもかかわらずです。なぜならペニーは娘アメリアを育てるシングルマザーであり、バーのオーナー。もう過去のような、情熱的な恋に身を任せるわけにはいかないからです。

しかも、マーヴェリックが店のルールを破ってスマホを置いた罰として

「You buy a round.（全員におごって）」

出典：「トップガン マーヴェリック」2022年

と命じる場面には、親密さゆえの容赦のなさが表れています。さらにこのあと店の規則を追加で破ったマーヴェリックを店の外に放り出すまでしています。

かなりな仕打ちだとは思います。どこまでが冗談でマーヴェリックに通用するか、ペニーは見抜いていることを示す、巧みな描写だと筆者は感じました。

セーリングシーンの意味：彼に「着艦」する場所を示す存在

二人の関係を象徴するのが、ペニーのヨットを二人で修理し、海に出るセーリングのシーンです。

ペニー: あなたは海軍の人でしょ。
マーヴェリック: 俺は船を操るんじゃない、ペニー。着艦するんだ。
ペニー: （ヨットの帆の操作を教えながら）アフターバーナーよ。

出典：「トップガン マーヴェリック」2022年

空では大胆なマーヴェリックが、海上ではまるで素人。ペニーに指示され、たどたどしくヨットを操ります。ふらついているマーヴェリック、格好悪い描写はなかなか珍しいです。

さらにこのシーンは、前作のチャーリーとの関係との明確な対比になっていると筆者は考えます。前作ではマーヴェリックがチャーリーをバイクの後ろに乗せ、スピードで彼女をリードしました。しかし今作では、ペニーがマーヴェリックに『着艦』という安定した世界を教える。この力関係の逆転こそ、マーヴェリックがようやく他者を受け入れ、対等なパートナーシップを築けるまでに成長した証と捉えることができると思います。

 ペニーの娘「アメリア」の父親はマーヴェリックではない

ファンが気になるのは、ペニーの娘アメリアの父親だと思います。もしかしてマーヴェリックとの間の娘かと考えた方も多いかと思います。これは明確にアメリアの口から異なる回答が提示されています。劇中でマーヴェリックに対して、アメリアは自身の父親について、

「With his wife. In Hawaii.（ハワイで奥さんといるわ）」

出典：「トップガン マーヴェリック」2022年

と語り、実父はマーヴェリックではないことが明らかになっています。しかし、アメリアはマーヴェリックの人生に大きな意味をもたらします。​

アメリア: （窓の外からマーヴェリックを見て）Just don’t break her heart again.（もう母の心を傷つけないで）

出典：「トップガン マーヴェリック」2022年

この一言は、彼女が母親を深く愛し、マーヴェリックとペニーの過去の複雑な関係を理解していることを示します。アメリアは、マーヴェリックが過去の過ちと向き合い、責任ある大人としてペニーと接するための「試金石」となっていると筆者は考えます。

本作でマーヴェリックは、血の繋がらない息子同然のルースターとの関係に苦悩します。それと対照的に、同じく血の繋がらないアメリアとは、彼女の母ペニーを介して、自然で温かい関係を築き始めています。これは、本作が描く『血縁だけではない、新しい家族の形』を象徴していると言えるでしょう。

アメリアの名前の由来に隠されたメッセージ

アメリア（Amelia）という名前も意味深です。女性で初めて大西洋単独横断飛行を成し遂げた、女性飛行家アメリア・イアハートが由来のように思えてなりません。

ラストシーンで、マーヴェリックの格納庫に来て、オートバイや飛行機を興味深げに見ている姿は印象的です。アメリアが将来、祖父（提督）やマーヴェリックのように、空の世界へ羽ばたく可能性を暗示しているように筆者には思えます。

まとめ

この記事では、『トップガン マーヴェリック』のヒロイン、ペニー・ベンジャミンと彼女の娘アメリアが物語に与える深い意味について、3つの主要な疑問に答える形で解説しました。

1. ペニーは誰なのか？ ― 36年越しの伏線回収
ペニーは、前作『トップガン』でマーヴェリックの素行不良に触れる場面で、相棒のグースが「Penny Benjamin?」と名前を囁いた「司令官の娘」その人です。36年の時を経て、名前だけの存在だった彼女がヒロインとして登場するという、見事な伏線回収がなされています。

2. マーヴェリックとの本当の関係は？ ― 帰るべき「空母」
二人の関係は、単なる恋の再燃ではありません。ペニーがマーヴェリックを本名の「ピート」と呼ぶこと、そして空の天才である彼が海上ではペニーに操縦を教わるセーリングシーンは、二人が対等な大人のパートナーであることを象徴しています。彼女は、マーヴェリックが唯一弱音を吐け、心から「着艦」できる安息の場所なのです。

3. アメリアの父親は誰か？ ―「新しい家族」の象徴
劇中で明言されている通り、アメリアの父親はマーヴェリックではありません。しかし、彼女は「Just don’t break her heart again.（もう母の心を傷つけないで）」と釘を刺すことでマーヴェリックに責任を自覚させ、同時に血の繋がらないルースターとの関係に悩む彼に「血縁だけではない、新しい家族の形」の可能性を示す、物語の重要な役割を担っています。

結論として、ペニー・ベンジャミンは、マーヴェリックの無鉄砲な過去を知り、彼の魂が空にあることを誰よりも理解しながら、地上で彼が帰る場所として在り続ける「人生のウィングマン」です。彼女とアメリアの存在こそが、マーヴェリックが36年の時を経て人間的に成長し、未来へ向かうための物語に、不可欠な深みと感動を与えているのです。