ローグネイションの意味は4つ!「ならず者国家」とイーサン/イルサ/アトリーの「反逆」を徹底解説【M:i5考察】
映画『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のタイトル、その意味を「敵組織シンジケート=ならずもの国家」のことだと思っていませんか?
しかし、劇中で繰り返される「Rogue」という言葉や、クライマックスの舞台が「Traitor’s Gate(反逆者の門)」であることから、もっと深い意味が隠されていると感じた鋭いファンも多いはずです。
そのモヤモヤを解消する鍵、それが『反逆』という視点です。
「Rogue ならずもの」というネガティブな呼称は、体制側から「反逆者」をみた場合の意味あいが強い。
つまり、この作品タイトルは、主要登場人物それぞれが抱える“反逆”を描く重層的なドラマとも解釈できます。
この記事では、「ローグネイション」の意味を、4人の「ならず者」たちの「反逆」という視点で徹底的に解き明かします。
- イーサンの反逆:組織の命令に背く“正義のための反逆”
- イルサの反逆:MI6の支配から逃れる“孤独な二重スパイの反逆”
- アトリーの反逆:国家を欺き、シンジケートを創設した“野望の反逆”
- レーンの反逆:システムに絶望し、世界そのものへと向けられた“復讐の反逆”
これらの意味を知れば、あなたの『ローグ・ネイション』に対する見方は180度変わるはず。
さあ、タイトルに込められた本当の意味を知り、この傑作をもう一度味わい尽くしましょう。
ソロモン・レーンとシンジケート:「ローグ・ネイション」を体現する世界への反逆
『ローグ・ネイション』(ならず者国家)の意味として、真っ先に思い浮かべるのは、敵ソロモン・レーンと彼がボスのシンジケート。
彼らは世界秩序そのものに対して「反逆」を仕掛けますが、そもそもなぜ元エリートだったレーンは、このような道を選んだのでしょうか?
まずは彼らの「反逆」の現状を解説し、記事の後半でその根本的な理由に深く迫っていきます。
レーンとシンジケートは、最初のレコード店で、ロンドン支局の女性エージェントをさくっと殺害。
イーサンも罠にはめ、すごく冷酷かつ優秀さを示します。
この“ならず者国家”シンジケートは、各国の情報機関の元エージェントからなる組織。
レーンの指示で世界を混乱に陥れる「影の国家」です。
作中でイーサンが「シンジケートは国家の機能を持つテロ組織だ」と語るくらい。
それほど強烈な組織力が印象的です。
この組織の特徴をまとめると、以下のようになります。
- 「ならず者国家」として描かれる
- ソロモン・レーンは元MI6のエリートで、システムに絶望した反逆者
- 組織の目的は既存の秩序の破壊と新たな支配
- メンバーは元スパイや裏社会のプロフェッショナル
ソロモン・レーンは優秀さもイーサンと同等以上。何度も手玉に取ってる。さらにスパイ経歴を持つ者同士、まるで「イーサンの闇落ちモード」と筆者は感じました。まあ、だからイーサンが光として輝くのですけどね。
さて、次はイーサン・ハント自身がなぜ「ならず者」なのか、解説していきます。
彼の“Rogue”な一面、あなたはどこまで気づいていましたか…?
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シンジケートの正体やソロモン・レーンの詳しい目的と動機については、別の記事でさらに詳しく解説しています。
イーサン・ハントはなぜ「ならず者」に?組織への正義の反逆
『ローグ・ネイション』の意味には、イーサン・ハント(トム・クルーズ)が「ならず者」の行動をとることも含まれる、と筆者は何度も感じました。
だって、普通のスパイ映画なら主人公は組織の命令に従うものですが、イーサンはむしろ逆。
彼の行動は、常に“自分の信念”が最優先なんですよね。
イーサンの“ならず者”としての反逆行動は、以下の点に現れています。
- 組織の命令よりも自分の信念を優先する
- 規則破りは日常茶飯事で、目的のためには危険もいとわない
- 単独行動が多く、仲間を巻き込むこともある
- 「反逆者(ならず者)」として追われる立場を選ぶ
- 彼の「反逆」とは、規則を破ってでも、より大きな悪を討つための選択である
CIA長官アラン・ハンリー(アレック・ボールドウィン)もIMFを
「時代遅れのならず者組織」
出典:ミッション:インポッシブル/ローグネイション (2015)
と切り捨て、IMFは解体。
イーサンは召喚命令を無視し、独断でシンジケートを追いかけることになります。
この行動だけを見ると、ヒーローというよりアウトローに近いのかも(トム・クルーズの別作品になってしまう…)。
彼の行動は、まさに「ならずもの」の典型と言えるでしょう。
CIAから見れば、彼は組織の命令を無視し、単独で危険な賭けに出る予測不能な存在。
事実、彼は何度も規則を破り、時には仲間を危険に晒してでも、自らの信じる正義を貫こうとします。
このように「反逆者(ならず者)」として追われる立場にありながらも、彼はより大きな悪を討つため、反逆者と見なされることを恐れず行動し続けます。
でも、イーサンは何度組織や国家に裏切られても、絶対に信念を曲げません。
ここが、絶望して闇落ちしたソロモン・レーンとの大きな違い。
筆者はそこに、イーサンの人間らしさと強さを感じました。
…さて、次はイルサ・ファウストというもう一人の“Rogue”な存在に注目してみましょう。
彼女の揺れる心、あなたはどう読み取りますか?
イルサ・ファウストも「ならずもの」?MI6への孤独な反逆
『ローグ・ネイション』の“ならず者”の意味には、イーサンやレーンだけじゃなく、イルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)も含まれると筆者は考えます。
彼女は、MI6の命令と自らの良心との間で葛藤し、組織の支配から逃れようとする「孤独な反逆」の道を歩むことになるからです。
筆者が特に印象に残ったのは、イルサがレッドボックスを手に入れた後、MI6に戻してもらえず、アトリー長官から
「アメリカから見れば君は“rogue assassin(ならず者暗殺者)”だ」
出典:ミッション:インポッシブル/ローグネイション (2015)
と言われるシーン。
不安定な“二重スパイ”の立場から、「孤独な反逆」に追い込まれるのがいたたまれませんでした。
イルサの“ならず者”としての反逆行動は、以下の3つの要素から成り立っています。
- 二重のスパイ:MI6の命令でシンジケートに潜入し、自分の信念でイーサンに協力する
- 孤独な戦い:MI6に切り捨てられ、孤独な戦いを強いられる
- 自己解放への意志:組織の駒であることをやめ、自らの意志で未来を掴もうとする
筆者は、イルサの魅力は強さだけでなく、組織にもイーサンにも完全には属さない“孤高”の存在感だと思います。
イーサンやレーンのように光と闇に極振りせず、ちょうどニュートラル。
時に揺れる脆さ。アトリー長官との密会シーンで、そんな彼女の心情がじわっと伝わってきます。
…こんな風に、『ローグ・ネイション』の“ならず者”は、イルサもまた重要な一人なんです。
次は、アトリー長官という“ならず者”の反逆に迫ってみましょう。彼は一体何を目指していたのか?
MI6長官アトリーは「ならず者」:国家を欺き、シンジケートを創設した“野望の反逆”
映画『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』には、もう一人見逃せない“ならず者”がいます。
それがMI6長官アトリー(サイモン・マクバーニー)です。
アトリーは英国首相の命令に背き、極秘裏に「シンジケート」プロジェクトを進めた張本人。
彼の大義名分は、「英国の利益を守ること」でした。
しかし、ソロモン・レーンに計画を乗っ取られ暴走が始まると、今度はその失敗を隠蔽するためにイルサを非情な駒として利用します。
任務を達成したイルサを再びレーンの元へ送り返すシーンの冷酷さには、憤りすら感じました。
イーサンが
「あなたがシンジケートを作った」
出典:ミッション:インポッシブル/ローグネイション (2015)
と詰め寄り、アトリーがそれを認めるシーンは、悪事が暴かれてスカッとしました。
アトリーの「反逆」行為は、以下の3つの特徴にまとめられます。
- 国家への背信行為:首相の命令を無視し、独断で危険な非公式組織を創設したこと。
- 責任転嫁と隠蔽工作:計画の失敗を認めるどころか、部下であるイルサを犠牲にしてでも保身を図ったこと。
- 動機の利己性:「英国の利益のため」という大義名分とは裏腹に、その行動原理は個人的な野心と自己保身にありました。
アトリーのイルサへの仕打ちをみれば、ソロモン・レーンに裏切られるのも無理ありません。
国家のためとはいえ、命令に背いて、失敗のもみ消しにエージェントを使えば、ただの私欲と受け取られてもしかたありません。
その意味では、アトリーもまた“ならず者”の一人です。小物感ぷんぷんだけど。
さて、次はソロモン・レーンがどうして“ならず者”になったのか、その心の闇に迫っていきます。
彼の動機、あなたはどう感じましたか?
なぜソロモン・レーンは「反逆者(ならず者)」になったのか?絶望が生んだ歪んだ正義
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』で最大の謎のひとつが、ソロモン・レーン(ショーン・ハリス)がなぜ“ならず者”となったのか、という点です。
筆者は初めて観たとき、「ただの悪役だろう」と思っていました。
でも、クライマックスの“TRAITOR’S GATE(反逆者の門)”でのイーサンとの対話を聞いて、考えが変わりました。
この場所も『ローグ・ネイション』のテーマにふさわしいですよね。
レーンは元MI6のエリートでしたが、国家のために数々の非道な任務をこなしてきた過去に絶望し、「自分は誰のために戦っているのか?」と信念を失います。
イーサンが「君はシステムを恨んで復讐を選んだ」と語るシーン、あれは本当に心に刺さりました。
レーンの「反逆」への道筋は、以下の通りです。
- 国家の“正義”に絶望し、復讐を誓う
- シンジケートを乗っ取り、世界の秩序を壊そうとする
- 「人命がもはや重要でなくなった」とイーサンに指摘される
- 資金と仲間を集め、徹底的にシステムに反旗を翻す
組織に忠誠を誓い活動した末に、自らの行動に疑問を持つ。
それを正当化するために、自分ではなく、システムを憎む。
ある意味、組織の被害者ですが、イーサンとは対照的です。
これが、能力は高くても、心が弱いがゆえに闇落ちした、ソロモン・レーンというキャラクターをよく表している背景だと筆者は考えました。
まとめ:『ローグ・ネイション』というタイトルに隠された4つの本当の意味
最後までお読みいただきありがとうございます。
この記事では、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』というタイトルの本当の意味について、深く掘り下げてきました。
ご覧いただいたように、このタイトルの意味は、単に「ならずもの国家=シンジケート」を指すだけではありませんでした。
分析の結果、「Rogue(ならずもの)」という言葉は、体制側から見た「反逆者」を指し、この物語に登場する主要人物たちの行動を象徴していることが明らかになりました。
つまり、『ローグ・ネイション』というタイトルには、以下の4つの意味が多層的に込められていたのです。
- 【世界への反逆】: システムに絶望したソロモン・レーンとシンジケートの存在。
- 【組織への反逆】: 命令に背いてでも正義を貫くイーサン・ハントの生きざま。
- 【支配への反逆】: 組織の駒であることを拒否するイルサ・ファウストの孤独な闘い。
- 【国家への反逆】: 私欲のために国家を欺いたMI6長官アトリーの末路。
「スパイ」という存在が、常に国家への忠誠と「反逆」の境界線上にいることを描き出した本作。
トム・クルーズたち製作陣がタイトルに込めた、この深いテーマ性を感じていただけたでしょうか。
あなたは、どの「反逆者」の生きざまに心を動かされましたか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
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『ローグ・ネイション』というタイトルには、幾重にも意味が込められていました。
実は、前作『ゴースト・プロトコル』のタイトルに隠された意味についても考察していますので、シリーズファンの方はぜひ合わせてお読みください。
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